01-019-1.gif

 

平成八年六月十七日出港(秋田地方気象台気象月表によれば、数日来の降水量は六月十一日二五・五ミリ十二日一ミリ十五日五ミリ十六日○・五ミリとなっており)雨らしい雨は十一日と十五日のみで、幽水を予想出来ませんでした。
船尾の開きが遅く、解繿・縮錨の強いCPPでも船尾が寄り、錨を止め、舞鶴の幽水時よりも二〇%強い馬力による約五分の努力でも平行以上開かず、まさに「幽水の金縛り」でした。
乗員に幽水の発生と対応を達し、幽水で余り離れなかったのを生かして後索をバイト再係、防舷物十分のうえ、縮錨、船首が四〇度ほど開いて近錨、解繿、揚錨・出港、舵利きは、船速○・五〜一ノット程度で戻ってきました。
一連の写真をみると、主機を強く用いたにもかかわらず、無言の時に比較して推進器流は小さく(秋田の幽水の界面が浅いためと推測しています)海面を内部波の山の群れ?が通るのも知らずにビットで遊ぶ子供たちがユーモラスに思えます。
なお、この時も水中視界ゼロで海面下の状況はほとんど削りませんでした。

 

01-019-2.gif

 

2、 秋田の二度目の幽水への対応
@入船着け=図5
六月十八・十九日と篠突く豪雨でした。(気象月表によれば、この時の降水量は六月十八日六二・五ミリ十九日五五ミリ十日四ミリで三日間の降水量一二一・五ミリで、六月の平年総降水量一一七ミリをこの三日間で超えていたのです)六月二十日は流れと幽水を予測しての入港となりました。
対応は主として二つ、一つは船脚を生かすこと(幽水優速)、もう一つは、出船励行を入船着けとすること、入船着けは、巡視船の姿勢に惇るのですが、安全には換えられません。
バース横の回頭の舵利き具合から幽水を確認、その後は「幽水優速」を活用、通常の出船着けよりスムーズかつ短時間の入港でした。
A入船着けからの出港=図6
係留索4(3)と錨鎖の張力により幽水の有無にかかわらず、安全に出港させる方法で、はからずも幽水対応の安全策に加えるべきものを得ました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ